第4回 ニカラグア運河の夢 視察の旅 旅の記録
〜 ラス・カノアス ダム(Embalse Las Canoas)とアパナス湖(Lago de Apans)  〜

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1.日 時: 2009年6月13日(土)

2.参加者: 中内清文、木島久恵

3.旅の行程

    07:00 首都マナグア(Managua) 出発
    09:00 ラス・カノアス ダム(Embalse Las Canoas) 到着
        発電所敷地内見学、堰堤およびエコ広場(Parque Ecolgico Municipal) 見学
    11:00 ラス・カノアス ダム(Embalse Las Canoas) 出発
    13:00 セバコ(Sbaco) 通過
    14:00 ヒノテガ(Jinotega) アパナス湖 到着  取水口見学
    15:00 昼食
    16:00 アパナス湖 発電所 探索
    17:00 ヒノテガ 市街見学
    21:00 首都マナグア 到着

4.旅の目的
 ニカラグア運河の建設のためには、閘門方式のため巨大な調整池(あるいは人工湖)が必要で、そのために堰堤の建設が 必要となる。
堰堤のイメージ、および堰堤と地形との関係についてのイメージを明確にするため、ラス・カノアス ダムとアパナス湖を 訪問する。
ラス・カノアス ダムとアパナス湖とも水力発電として利用されている。

5.視察地域図


図.視察地域図                                図.視察地域図(拡大図)

6.視察結果
6.1 ラス・カノアス ダム(Embalse Las Canoas)
 首都マナグアからパンアメリカン・ハイウェイを北上し、サン・ベニート(San Benito)から国道7号線に入り20kmほどの ところに、『ラス・カノアス ダム』がある。(ラス・カノアス ダム基礎情報)

    管理: ボアコ県テウステペ市(Teustepe, Departamento de Boaco)
    建設年: 1980年代初め ※1
    援助国: (堰堤?)キューバ、(発電設備)フランス ※2
    目的: 灌漑および水力発電、食料源(漁業) ※1
    面積: 11km2 ※1
    堰堤の規模: 幅 800m、高さ 30m ※2
    最深度: 52m ※1

ダムの形式: ロックフィル・ダム(おそらく中部遮水型)(ロックフィルダム…岩塊を台形に積み上げ、上流面または 堤体内部に不透水性の遮水壁を設けたダム)
    ※1 出典 www.emunicipios.net.ni/cms/downloadFileOfDirectory.do~itemId=1123
    ※2 現地係員談


      写真1.国道より堰堤を望む               写真2.国道より東側を望む


      写真3.国道より堰堤を望む              写真4.ダム前面 北側を望む


     写真5.ダム前面 南側を望む               写真6.堰堤北側の排水溝


         写真7.排水溝                    写真8.堰堤上部


        写真9.エコ広場                     写真10.発電設備

現状
 現在は貯水量が少ないため、発電は行っていないそうだ。11月から4月までは乾季であったため、貯水量が少ないと 思われる。灌漑用水にも貯水は利用されるが、これも少貯水のため現在は機能していない。

エコ広場
 ダムの前面すぐ下にエコ広場 がある。ぬるま湯が湧き出るとのことだったが、体感では温かく感じなかった。週末には、 地元の人たちが水浴を楽しむため訪問するそうである。

発電設備
 発電機設備の内部について詳しいことは分からなかったが、ダムからチューブを通り発電設備まで送水される。 その後、再び水は引き上げられ、灌漑用水として送水溝へ送られる。

その他
 ダムに接近して見学すると、遠望時より規模が大きく感じられた。全体で見ると、大きな谷の両側になだらかな 丘が続いており、ダムを設ける地形のイメージを得ることができた。

6.1 アパナス湖(Lago de Apans)
ヒノテガ市街のすぐ北にアパナス湖がある。(アパナス湖基礎情報)

    管理: ENEL(ニカラグア電気エネルギー会社、Empresa Nicaraguense de Energa Electrica)
    建設年: 1965年 ※3
    目的: 水力発電
    面積: 60km2 ※3
    送水管直径: 約2.5〜3m ※3
    送水管距離: 約3,500m ※3
    送水管内流速: 22m3/s ※3
    発電量: 34 Gwh/年 ※3

※3 出典 http://www.enel.gob.ni/index.php?option=com_content&view=article&id=41&Itemid=13

アパナス湖の現状
 乾季が終わったところであるためか、貯水量が極端に少なかった。とても広い湖であるが、貯水量が減少しているため、 湖の水面をほとんど見ることができず、普段は水底になるところに平原が広がり牛が放牧されていた。

・ 取水口設備付近
 取水口へ水を引くため、湖から水が引かれている水路が確認できた。この水路は一見運河のようであるが、普段増水時 には水で覆われこのような水路のようには見えないそうである。(JICA/JOCV隊員の和田さより談)
(注)アパナス湖はテュマ川(Ro Tuma)が堰き止められて出来たもので、この開削 された水路は湖の最上流域にある。

・ 発電所
 取水口から、西方へ車で15分程度下り行くと大きな渓谷がある。この傾斜と落差を利用し発電を行っている。 取水口から地中に埋めた送水管で重力式に落水させ発電していると思われる。発電所内に立入ることはできなかったが、渓谷を下る 際に下方に大きな発電施設を確認できた。

 取水口から発電所までの距離は長く、発電所の建設は大規模な建設工事であったことが推測される。


       写真11.取水口          写真12.水路(このすぐ右側に取水口がある)


写真13. 堰堤*1                    写真14. 吐水口*2              写真15. 発電所

*1: アパナス湖の最上流域を走る道路。写真の右側に湖が広がる。また、ここから100mほど右側に入ったところに 取水口があり、その先に開削された水路が延びている。
*2: 湖側の取水口から管を通して水を自然落下させ、谷底に立地する発電所内のタービンを回転させるシステムに なっているものと推察されるが、何らかの理由でその落水を緊急に迂回させるためにある吐水口のように見受けられる。

6.その他気付いた点、今後の課題
・ 堰堤のイメージをつかむことができた。
・ 調整池(人工湖)の設計の際には、船舶の水路交通および閘門通過のための必要水量と降雨による周辺からの供給水量の データが必要である。 乾季には降雨がほとんどなくなり、水量の供給がなくなることが運河建設の難題となると思われる。降水量などの長期観測が 必要である。

7.今後の予定
・ サン・ファン・デル・ノルテ(San Juan del Norte)の視察を7月半ばに計画。
San Juan del Norteはニカラグア湖からカリブ海に流れ出る大河サン・ファン川(Ro San Juan)の カリブ海側河口にある町。かつて米国政府・議会で両洋運河をパナマ、ニカラグアのいずれの地峡に建設するかの 議論において、このサン・ファン川を利用した運河案が真剣に検討された。現在でもニカラグア政府のニカラグア両洋間 大運河計画「Gran Canal Interocenico por Nicaragua (GCIN)」(2006年)において運河ルート案の一つとして言及されている。

以 上
(記録:木島)


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