Nicaragua Canal, Gran Canal Interoceanico por Nicaragua (GCIN) , ニカラグア大運河計画概要書
ニカラグア大運河計画概要書(GCIN)
第3章 運河計画の技術&工学
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A 結 論
3.01 太平洋と大西洋とを結ぶ大洋間運河を建設する上で、ニカラグアは、地形学上および地質学上において、また水に関しても
運河建設の実現可能性(viabilidad)を引き出す有利な諸条件をもつ。
その地形学的条件からして、豊富な流水量をもつ河川を利用してダムあるいは貯水池(embalses)を容易に建設することができよう。
そのダム・貯水池は、運河のオペレーションを行い維持する上で必要とされる水を貯留する(almanecer)ためのものであり、
毎年1,800〜4,500mmの変動幅を持つ降雨によって水が補給されることになる。
また、地形学的条件はまっすぐで長い運河区間や幅の広いカーブの建設を容易にするもので、操船性(maniobrabilidad)
を保証することになる。
さらに、船渠や待機用入り江(bahi'as de espera)の建設は、運河通行上の混雑を回避し、通行上の安全を高めることになろう。
提案されている運河ルートにおける地質、さらに大西洋・太平洋海岸地方での低地における地質からすれば、その土砂の移動(浚渫や
埋め立てrelleno)を容易にするであろう。
推奨される運河ルートの両洋間での距離は直線にすれば250kmであるが、そのルートの描線は直線的ではなく、その距離は286
kmになる。そのルート上にはニカラグア湖がはさみ込まれることになり、その湖上距離は80kmである。
ニカラグア湖は、平均海水基準面からの平均高度が32mある(una altura promedio de 32 m sobre el nivel medio del
mar (snmm, s.n.m.m.)。
運河との関連においてその他重要なことは、推奨される運河ルートは人口密度の低い地域を通過することである。
また、当該ルート上の地域がもつ自然環境は、無差別的な森林伐採(tala)によって完全なまでに損なわれている状況にある。
技術的観点からすれば、運河建設の工学系技術とともに前述のすべてのことが合理的な投資コストに見合う運河建設の実現
可能性につながって行く。
B 運河計画の地理的位置
3.02 運河調査対象地域: 太平洋と大西洋にはさまれたニカラグア南部地域および南東地域にある、エスコンディード川
(Ri'o Escondido)およびニカラグア湖流域。およびリーバス地峡(el istmo de Rivas)の南部域。大西洋南部自治区
(la Regio'n Auto'noma del Atla'ntico Sur)およびチョンタレス県、リオ・サンファン県、およびリーバス県におよぶ。
C 運河対象地域の地形学的および地質学的特性
3.03 ニカラグア南部地域−南東地域は明確に区分される3つの区域、すなわち「太平洋区」、「中央区」、「大西洋区」
からなる。
太平洋区(または「セクション A」)は、幅にして約20kmであり、全ての運河ルートが共通して通過する区域である。
当該セクション Aは、ニカラグア湖に注ぎ込むラス・ラハス川(ri'o Las Lajas)の河口から、太平洋に注ぎ込むグランデ川
(またはブリット川)(ri'o Grande o ri'o Brito)の河口まで広がるリーバス地峡の一つの地域である。ここには、これら両河口の間に
はさまれた2つの河川流域の谷筋の奥にあって、運河開削のために切削(corte)されることになる両流域の分水嶺をなす
最大標高47mをもつ稜線がある。
3.04 「セクション B」はラス・ラハス川河口からオメテペ島(la isla de Ometepe)の南を通って、ニカラグア湖に注ぎ込む
オヤテ川(ri'o Oyate)の河口にいたる。その距離は約80kmである。
3.05 大西洋区(または「セクション C」)には、ニカラグア湖に注ぎ込むオヤテ川河口から大西洋までの間にいくつかの
運河ルートがある。大西洋岸南方にあるサン・ファン川(ri'o San Juan)の河口から、その北方にあるエル・ブルッフ
(El Bluff)の北5kmにあるケイマン・ロック(Cayman Rock)までの間には、ニカラグア湖から大西洋へ向かういくつかの
運河ルートの出口が存在する。その地形は嶮しく南部域と北部域には標高700mまでの山々があり、中部域にあっては
(推奨される運河ルートが通過する)ほとんど平坦であるが標高200mまでの山々があって、大西洋海岸地域では
低地や水に浸かっているところがある。これらの運河ルートの縦断距離は153kmから202kmである (表3.1)。
3.06 運河対象地域の地質学上の2つの主要調査項目、すなわち当該地域の地質構造および地質について:セクションA、
B、C には、火山活動による地震、地殻のずれ、ココ・プレートやカリブ・プレートの接触による地震がある。しかし、
過去の史料から明らかにされてきたところによれば、これらのセクションで物的損害ならびに生命上の損失が生じたという
証拠はなく、地震による影響はほとんど受けて来なかった。
3.07 太平洋沿岸に沿った火山の連なりに近接しているにもかかわらず、セクション Aでは1883年のコンセプション火山の
噴火以来、マグニチュードが強い地震を経験して来なかった。スペイン植民地時代のさまざまな年代に建設された、リバス県
のサン・ホルヘ港にある教会や同じ地区の他の町にある教会についても、火山活動ならびにココ・プレートやカリブ・プレート
の接触によって崩壊したことはなく、また重大な損害を被ったこともない。ニカラグア南部地域および南東地域でのこれらの
地震被害調査によれば、セクション Aにおける運河、土木構造物、あるいは人的集団に対する潜在的な深刻な被害リスク
というものは制御しやすいものといえる。セクションB、C におけるリスクはもっと少ないものであり、ましてやセクション C
にあってはさらに少ないものである。もちろん、それらの被害リスクは設計そのものや建設の具合によっても左右される。
D 確認されたルート案
3.08 6つのルート案が認められる。大西洋沿岸からニカラグア湖に向かう運河ルートの起点はいくつかあるが、リバス
地峡ではいずれの案もそのルートは共通で一つである。 (表3.1)
- ルートNo.1: ケイマン・ロック(Cayman Rock) − エスコンディード川(Ri'o Escondido) − ミコ川(Ri'o Mico)
− オヤテ川(Ri'o Oyate) − ニカラグア湖(Lago de Nicaragua) − ラス・ラハス川(Ri'o Las Lajas) −
ブリット川(Ri'o Brito)
- ルートNo.2: ケイマン・ロック(Cayman Rock) − エスコンディード川(Ri'o Escondido) − マホガニー・クリーク
(Mahogany Creek) − ラマ川(Ri'0 Rama) − オヤテ川(Ri'o Oyate) − ニカラグア湖(Lago de Nicaragua) −
ラス・ラハス川(Ri'o Las Lajas) − ブリット川(Ri'o Brito)
- ルートNo.3: ベナード島のハウンド・サウンド・バー(Hound Sound Bar sur de la Isla de Venado) − ラマ川(Ri'o
Rama) − オヤテ川(Ri'o Oyate) − ニカラグア湖(Lago de Nicaragua) − ラス・ラハス川(Ri'o Las Lajas) −
ブリット川(Ri'o Brito)
- ルートNo.4: ゴルダ岬(Punta Gorda) − トゥーレ川(Ri'o Tule) − ニカラグア湖(Lago de Nicaragua) − ラス・
ラハス川(Ri'o Las Lajas) − ブリット川(Ri'o Brito)
- ルートNo.5: ゴルダ岬(Punta Gorda) − ロス・サバロス川(Ri'o Los Sa'balos) − サン・フアン川(Ri'o San Juan)
− サン・カルロス(San Carlos) − ニカラグア湖(Lago de Nicaragua) − ラス・ラハス川(Ri'o Las Lajas) −
ブリット川(Ri'o Brito)
- ルートNo.6: サン・ファン・デル・ノルテ(San Juan del Norte) − サン・ファン川(Ri'o San Juan) − ニカラグア湖
(Lago de Nicaragua) − ラス・ラハス(Ri'o Las Lajas) − ブリット川(Ri'o Brito)
図3.1

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3.09 各ルート案の主要目は表3.1のとおり。
表3.1 確認されたルートのパラメーター
運河 ルート | 運河の水面 レベルの数 | 運河の総延長 距離 |
水路建設 方式の数 |
掘削量 (百万立方m) | 浚渫量 (百万立方m) | 閘門の数 | 建設コスト
(百万米国ドル) |
| 1 | 3 | 312 | 1 | 3,351 | 196.0 | 4 |
18,280 |
| 2 | 2 | 297 | 1 | 3,030 | 149.0 | 4 |
18,377 |
| 3 | 2 | 286 | 1 & 2 | 2,711 | 103.0 | 4 |
17,345 |
| 4 | 5 | 263 | 1 | 3,958 | 103.0 | 5 |
19,517 |
| 5 | 4 | 275 | 1 | 3,500 | 143.0 | 4 |
21,072 |
E 推奨ルート案
3.10 これらの6つのルート案の分析によれば、80kmのニカラグア湖通過距離を含む総通行距離286kmをもつルートNo.
3が最も優位性があると考えられる。
3.11 ルートNo.3が選ばれるいくつかの理由がある。
(a) 少ない投資金額(1,740万米国ドル)である。主に土砂の掘削量が少ない。運河ルートの地質学的特性はその掘削
活動を容易たらしめる。ルート上にある土地の地形は相対的に平坦であり、大西洋岸からニカラグア湖に向けた区間の
最初の54kmでの昇り傾斜度(勾配)は2%である。その後は自然にくぼんだ土地を通過することとなり、その地形は相対的に
一様なレベルを保っている。そして、チョンタレス山系の支脈(いくつかの特定の地点から判断して標高60−200mの間である)を
横切りながら、その後はニカラグア湖の東岸から16km地点までいたるという、全体として一つの通行路をなすものである。
そこからニカラグア湖東岸までは下り傾斜度2%の平坦な土地が始まる。
(b) いずれの川とも交わることはなく、また大きな自然災害とも係わることもなく、水理学上の問題もない。
(c) すっかり環境は被害を被ってきたと考えられることから、環境に影響を及ぼすことはもはや少ない。また人口が極めて
少ない。
3.12 ルートNo.3の大西洋地区のうちの他部とは違って、このルート上の通行路は堆積土からなる帯状の土地を通ること
になる(土がさまざまな硬さの岩石からなる約15kmの部分、ただしくぼんだ土地形状にあるところでは
たくさんの岩石からなる部分を除く)。そのことは掘削を容易にして、コスト削減にもつながろう。
3.13 唯一ルートNo.3において運河建設上2つの方法がある。その一つは、3.24節に記載され、図3.2で示
されるように、オペレーション上2つの水位をもつ運河が建設されるもので、最善の選択肢といえる。すなわち、
Escondido川流域に建設されるダムによってえられる貯留水、およびニカラグア湖の水の2つの水位をもって運河通行上の
オペレーションがなされる。
もう一つの可能性は、ニカラグア湖の水位をもって運河を建設するというもので、完全にその湖水をもって通行上の
オペレーションがなされる。
後者の方法は前者のそれと比較して掘削量と投資額が一層膨大となることから除外された。
図3.2


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3.14 ルートNo.6は古くから考えられていた案であり、サン・ファン川(ri'o San Juan)を利用するものであるが、
次ぎの理由から除外された。
(a) 地質学上の理由、すなわちサン・ファン川の中・下流の下層土は砂の多い層からなり、その層は地下18m(60フィート)
−46m(150フィート)の間にあり、このサン・ファン川とサン・カルロス川(ri'o San Carlos)との合流点から大西洋
岸にある河口まで続く。
(b) 環境への負(マイナス)の効果(河川および海洋のエコシステムに及ぼされる被害、運河のコースを直線化したり水路を
深くしたり、カーブを広げ滑らかにするために河川を広げたり、運河の区間を真直ぐに延ばすための掘削・切削(corte)・
浚渫(dragado)工事による河川の破壊)。
(c) サン・ファン川流域の縦横に広がる保護区を保全するというユネスコとの約束。
(d) サン・ファン川によって運ばれる堆積物や川からの流出物によって生じるオペレーション上のさまざまな困難とコスト。
(e) 雨期における増水対策のために行う水理施設の工事によって生じるコスト。
3.15 エスコンディード川に沿ったルートNo.1は、サン・ファン川のルートと同じような環境や増水に関する問題がある
ことから除外された。しかも、雨期においては水量がさらに増え、その頻度も多くなることから、船舶の操縦性を危険なもの
にする。もっと多くの通過時間がかかることになって、運河オペレーションコストを引き上げることになる。
ただし、現実にこのルートは、ニカラグアの南東地域においてより重要な商業路および河川輸送路であることに違いない。
3.16 ルートNo.2は、エスコンディード川の一部を利用すること、また前述の理由から除外された。
3.17 ルートNo.4&No.5は、経済的および技術的な観点からその実現可能性はないと考えられた。
これらルートは、平均海水基準面から600−700mの平均高度(s.n.m.m.)をもつチョンタレス山系を横切るという、
嶮しい地形特性をもつ区域に位置している。このことは大西洋岸からニカラグア湖まで通過するには、オペレーション上
さまざまな水位の水路をへること、その掘削量は膨大であることを意味している。これらのルート案に優位性がないことの
理由としては、運河のオペレーション上さまざまな水位で必要とされる水を貯留するには(almaneccer el agua necesaria)、
プンタ・ゴルダ川(ri'o Punta Gorda)の流水量を利用し、またダムを建設する必要性がある。しかし、地形学的
な観点からそこには自ずと限界がある。さらに、膨大な掘削量は投資金額を実質的に増大させることになる。ルートNo.5は
その一部においてロス・サバロ川(ri'o Los Sa'balos)に沿うこと、またサン・ファン川の上流部40kmに沿うことは、
不利な条件となっている。このことはこれら2つの川に相当の害をもたらすことを意味する。これはこの地域の保護区を
保全し環境を守るという約束に反することとなり、サン・ファン川に沿ったルートが除外されたその他の理由と同じように
ルートNo.4&No.5は除外された。
F 運河の設計
運河の予備設計を行う上での基本的な基準としては、25万重量トン(dwt)までのポストパナマックスサイズの船が通過すること
ができる「水の通路」であるということである。その設計においては、3.22節で示されているような特性をもち、
また直線的な区間ならびに拡張されたカーブによって形成されるはずである。運河は投資コストを節減するためオペレー
ション上3つの水位をもつ閘門からなる。
3.19 運河は次ぎのような構成要素をもつ。
太平洋および大西洋から内陸部の運河に向かって航行しながら最初の閘門にいたるまでのアクセス運河、およびニカラグア湖
を出たり入ったりすることになる内陸部を通る運河からなる。ニカラグア湖上では複線通航である。セクション A & Cを
通過する内陸部の運河では単線通航であり、船の通行と運河のオペレーションを容易にするため待機用の船渠/水域を備える。
水理学上のコントロールを行うために4つの閘門システムが必要とされる。その3つはセクション Cに、他の1つは
セクション Aに設けられる(表3.2)。
運河の総延長距離は286kmである(Venado島とOyate川河口との間の大西洋地区の176km、Oyate川河口とLas Lajas川河口
との間にあってオメテペ島の南を通るニカラグア湖の80km、リバス地峡の30km)。
3.20 運河を横断面図で見ると、単線通航路、複線通航路のいずれの場合も不等辺四角形をしており、図3.3
に示されるような特性をもつ。
単線通航路の場合、運河水底部の幅は60m、複線通航路では114mで、その水深は23mである。
台形横断面図の側面または法面(los taludes o lados del trapecio)は、土地の地質構造的特性によって変わろう。
* 台形横断面図の上辺の長さ(運河の幅)はその側面または法面の形状によって変化する。
図3.3
3.21 運河の区間ごとの設計を行うためには(図3.3)以下のパラメーターが考慮される。
(a) 単線通航となる主要な運河、および複線通航となるアクセス運河(表3.2)
(b) 水深・水面の高さ 23m
(c) 対象地域の水文(表3.2)
(d) 船の設計(表3.3)
(e) 対象地域の地形および地質
表3.2 水文パラメーター
| 運河ルート上における大西洋沿岸での年間最大降雨量 | 4,000 mm |
| ニカラグア湖流域における年間平均降雨量 | 1,762 mm |
| ニカラグア湖における年間平均降雨量 | 1,600 mm |
| ニカラグア南部地域−南東地域における年間平均降雨量 | 3,200 mm |
| 平均海水基準面からの平均高度31mにおけるニカラグア湖の表面積 | 8,284 km2 |
| ニカラグア湖の流域面積 | 20,315 km2 |
| ニカラグア湖からサン・ファン川への流出水量/日 | 41,213,000 m3 |
| 運河オペレーションのために必要とされる水量/日 | 6,600,000 m3 |
| 平均海水基準面からのニカラグア湖の最低水位 | 29.57 m |
| 平均海水基準面からのニカラグア湖の最高水位 | 32.00 m |
3.22 船の設計と閘門の特性は表3.3&3.4の通りである。
表3.3 25万重量トン(dwt)の船
| 船の全長 | 1,312 フィート =400m |
| 船の船腹 | 197 フィート =60 m |
| 船の喫水 | 66 フィート =20 m |
表3.4 閘門の要目
| 長さ | 1,529 フィート=466m |
| 幅 | 210 フィート=64 m |
| 深さ | 112 フィート=34 m |
pie: フィート=30.48cm
3.24 大西洋側から太平洋側へ船が通過するプロセスは図3.2に要約されているが、以下のとおり。
(a) 海面レベルにあるアクセス運河を通り、運河の内陸部に通じる入り口へ
(b) 海面レベルから、平均海水基準面からの平均高度32m(s.n.m.m.)の中間レベルへと通過するために、最初の閘門
システムを上る(図3.2に示される1)。そこから第2の閘門システムを経て、平均海水基準面からの平均高度60m
(s.n.m.m.)のレベルへ上る(図3.2に示される2)
(c) 第3の閘門システムを経て、ニカラグア湖のレベル(平均海水基準面からの平均高度32m)へと下る(図3.2に
示される3)
(d) 第4の閘門システムを経て太平洋の海面へ下る(図3.2に示される4)
G 水の使用可能性と水文学的特性について
ニカラグアの南部および東南部地域においては十二分な水の使用が可能であることから、運河オペレーションが保証される。
さらに3,200mmという年間平均降雨量および当該地域のその他の特性からして、水の使用を最適なものにすることが
容易に可能であろう(表3.2および図3.4)。この降雨量レベルはおそらく運河が通る流域での植林事業によっ
て増大させられよう。
図3.4(1971-2000年の年間平均降雨量図)

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3.26 セクション Cでの運河ルートはラマ川およびエスコンディード川流域の南部を通っているが、エスコンディード川
はシキア川(ri'o Siquia)、ミコ川(ri'o Mico)、ラマ川(ri'o Rama)と合流し、毎秒390立方mの流水量もつ。
これは日量33.7百万立方mの流水量に相当し、大西洋に向けて排水するという手段でもってその水量は増えよう。
その後、推奨の運河ルートは南西方向をとりニカラグア湖に注ぎ込む。このニカラグア湖という水の天然の貯留池
(reservorio natural de agua)は、平均海水基準面からの平均高度31mにあって、表面積8,284km2をもち、
サン・ファン川から毎秒477立方m3の水量が大西洋へと排出されるが、これは日量41.2百立方m
3に相当する。
3.27 運河のオペレーションに必要とされる水量に応えうるだけの十分な余剰水量がある。その水量として、
2025年に
おいて毎日11回の船舶通過を可能にする6.6百万立方m3・日、これは毎秒76m立方3に相当すると推量される。
この水量はSiquia、Mico、Ramaの河川によって生み出されよう。また、それは運河のオペレーションに必要な水量の
5.1倍に相当するものである。その水量は上記の河川の流域に建設される2つのダム(represas)によって補充されること
になろう。必要ならば、もっと多くのダム・堰、あるいは貯水池(embalses)が上記の河川およびEscondido川の流域に
建設することが可能である。
3.28 先に述べた河川の水を自由に使用することができるということ(disponibilidad de agua)に加えて、貯水源
(reserva de agua)であるニカラグア湖が存在していることは、運河のオペレーションを保証するものである。
前述のダム(embalses)などを源にして運河閘門を経て流れ出るニカラグア湖の水は別にして、運河のオペレーションの
ためにニカラグア湖の水を使用しないことが期待されている。
しかし、冬期および夏期をとわず、サン・ファン川での水の恒常的な流れを保証すべく、ニカラグア湖の水理学的
(hidra'ulicos)な不均衡とそれらのレベル変動を調整をするために、サバロス川(ri'o Sa'balos)とサン・ファン川との
合流点にその調整ダム(una presa de regulacio'n)が建設されることになろう。
ニカラグア湖にて貯留される水量は、1,500万立方m3まで、あるいは平均海水基準面からの平均高度(s.n.m.m.)
32mまで増えるものと推定される。これはニカラグア湖周辺都市が必要とする潜在的水需要に応えるための水源
(fuente de agua)として、あるいは灌漑事業や電気エネルギー発電に応えるための水源としても役に立つ。
付帯インフラ
3.29 運河建設とその付帯事業に加えて、リバス県のパンアメリカン・ハイウェイ上に、あるいはチョンタレス県およびリオ・
サンファン県のアコヤパとサン・カルロス(Acoyapa-San Carlos)間の国道上やガテアーダと南大西洋自治区ヌエバ・ギネア
(Gateada-Nueva Guinea en la Regio'n Auto'noma del Atla'ntico Sur)間の国道上に、それぞれ橋を建設する必要があろう。
コリント港あるいはラマ港からさまざまな運河建設工事作業現場まで、必要な機械類や器具類を輸送するための
国道を整備したり、また橋を補強したりするため、あるいは掘削された土石を搬出するための一時的な鉄道の建設やその他
サービスのための国道の建設、あるいは事務所、倉庫、ガソリン給油所、動力付き器具の保守修理のための作業場など
をもつ訓練所、オペレーターの生活拠点の建設、水力発電所の建設やそのための予備的作業、砕石プラント、コンクリート
やアイスプラントの建設なども必要である。
I コスト計算
3.30 最も実現可能な運河ルート上で永久的および一時的な土木構造物を建設する投資コストは2006年での価格にして
約170.4億米国ドルである。
運河ルートNo.3に対する前述の投資額を算定する上での主要目は表3.5にその詳細が示されている。
表3.5 インフラの概算コスト
| コストの概念 | 千米国ドル |
| 土砂の移動(掘削−埋め立て) | 9,594,278 |
| 海洋およびニカラグア湖での浚渫 | 702,875 |
| 3つの閘室(camaras)からなる閘門システム、4つの建設 | 5,224,208 |
| 調整ダム | 82,972 |
| 補償(運河開削料、家族の立ち退き料) | 182,000 |
| 一般のインフラ(一般の社会基盤)整備 | 1,528,938 |
| 合 計 | 17,345,272 |
3.31 準備段階における推定投資額を計算する上での主要なベースになったのは、パナマ運河拡張プロジェクトを調査するために日・米・パナマ3か国委員会
(la Comisio'n Tripartida del Canal de Panama')によって1983−1993年の間に利用されたコスト情報であり、またパナマ
運河当局によって実際に用いられた「Heavy Construction Cost Data(R.S. Means 2005)」から取り出された積算単価
データである。
J 運河計画実施の暫定プログラム
3.32 運河計画の実施期間は9年間と算定されている: 3年間の調査、6年間の建設である。その建設の根幹を成す
活動としては、掘削、閘門の建設、準備作業である(表3.6)。
表3.6 運河建設の暫定工程表
| No 概念 | 2010 | 2011 |
2012 | 2013 | 2014 |
2015 | 2016 | 2017 |
2018 |
| プレFS調査、FS調査、設計 |
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| 運河の建設 | | | | | | | |
| 1 事前準備作業 | | | |
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| 2 補償 | | | |
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| 3 アクセスの建設 | | | |
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| 4 土砂の移動(掘削&埋め立て) | | | |
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| 5 閘門の建設 | | | | | | |
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| 6 調整ダム・船渠の建設 | | | | | | |
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| 7 水力発電所の建設 | | | | | |
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| 8 港湾施設の建設 | | | | | | |
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| 9 リバス県のパンアメリカン・ハイウェイ南部区間での橋の建設 | | | | | | |
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K 運河通過の時間
3.33 ルートにもよるが、船の運河通過時間は、毎時6ノットの速力として、約24−28時間であろう。その通過
時間は、それらのルートの特殊な事情を考慮しないとすれば、その距離と船の速力との一次関数の関係にある(表3.7)。
表3.7 通過時間
| ルートNo. | 総延長距離 | 船の速力/時間 | 通過時間 |
| 1 | 312 | 6ノット | 28 |
| 2 | 297 | 6ノット | 27 |
| 3 | 280 | 6ノット | 26 |
| 4 | 263 | 6ノット | 24 |
| 6 | 275 | 6ノット | 25 |
3.34 表3.7に示されるように、運河ルートNo.3の通過に要するの最大時間は26時間であろう。このルートは、
そのセクション C において次ぎのような特徴をもつ: 大西洋から内陸部の運河に向けて最初のアクセスを行うのに
先立ってブルーフィールズ湾(la bahi'a de Bluefields)に入る。また、ニカラグア湖西岸部において3つの待機船渠
(da'rsenas de espera)、および当該ルートNo.3上に「ラ・プロビデンシアダム」(el embalse La Prondencia)が
建設されよう。そのダム建設は全て船舶の通行緩和あるいは軽減に役立つものである。当該ダムは運河通行をコントロールする電子
システムに組み込まれることによって運河のオペレーションに柔軟性をもたらし、また通行の混雑回避、あるいは待ち時間なしの
推定通過時間を保証するものである。
参考: スペイン語用語
hi'drico, ca: adj.水の、水による.
hidra'ulico, ca: adj.水力の、水圧の、油圧・液圧の; 水力学の、水理学の
hidro'gogi'a: f.運河開削[術].
hidrografi'a: f.水路学.
hidrologi'a: f.水文学、陸水学.
interocea'nico, ca: adj.大洋間の、両洋間の.
caudal: adj.[川などが]水量が豊かな、m.水量、流量、流水量.
embalse: m.[水を]せき止めること、貯水、貯水量; ダム、堰(せき)、貯水池.
esclusa: f.[運河・水路の]閘門、水文; 防潮門.
represa: f.せき止めること・もの; ダム、堰(せき).
cauce: m.河床、川底; 溝、用水路.
pendiente: f.坂、斜面; 傾斜、勾配.
da'rsena: f.ドック、船渠(せんきょ).
dique: m堤防、防波堤; ドック、船渠.
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