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コッドエンド以外は同じ網地を使った平らな網を、両舷から1統ずつ2カ統同時に曳き、平坦な砂地において、
分散して海底に潜っているエビを漁獲する漁法として有名である。この漁法が主な対象とするエビは、平坦な
海底に潜っているので、漁獲するには、網丈は必要でなく、幅だけが問題である。網を丈の低い2カ統に
分けることによって、同じ曳網力を用いて幅広い海底を曳くことができる。
本来は徹底的な省力化が進み、エビを氷蔵やバラ凍結する場合には船長・機関長を含み4人で操業できる。
しかし、外地では船上で選別・凍結したり、国情によって乗組員を増やすことがある。日本の企業が合弁事業
として行う場合、日本人を減らし現在では、船長(あるいは、国情により船長はその国民でなければならない
場合は漁労長、あるいはアドバイザーと呼ばれる)1人だけが日本人で、他はその国民である方式か全員が
その国民である方式が普通になってきた。
当然多量の魚も漁獲される。普通はエビだけで魚倉が一杯になることはほとんどない。しかし、魚を持って
帰らない。魚を持って帰ることにすると、魚倉を一杯にせずに入港するよりは、魚で満船にして帰港する
傾向になる。漁業がないか魚の消費が限られるところではじめられた場合には、魚の販売に苦しみ、陸上に
冷蔵庫がない場合には、漁船の稼働率は著しく低下する。したがって、稼働率をあげるためには、魚の投棄は
止むを得ない。漁獲された魚の投棄は、資源の無駄使いになるばかりでなく、死んだ魚が海面に浮くので、
地元の国民を刺激する。
この投棄を減らす試みに関する研究と漁法の規制が各地において行われている。この方法のもう1つの目的には、
多量の魚の中からエビを選び出す労力を軽減し、エビの鮮度を保つことにある。
日本から合弁事業に送られる船には、中古の以西底曳漁船や小型の底曳漁船を改造した船が見られたが、
ここに示すのは新しく建造された船である。新しい船を送るか改造した中古船を送るかは、現地の受入態勢と
カントリーリスク等技術的以外の要因によることが多い。
名前だけが知られているが、日本にはないので、実態を見た人は少ない。外地に派遣されて始めて見る人が多い。
このような人達に対する参考として、このファイルを示す。なお、ファイル「メキシコの漁法」の中の
ファイル「エビトロール」に現地における写真を収録し、漁船と漁具に関する詳しい説明を加えた。この
ファイルにも再録したので、それを参照して欲しい。また、同じく先に示したファイル「メキシコの漁法」中の
ファイル「定置網」において、網を入れている際に用いた船は、典型的なフロリダ型ダブルリガーである。
日本において建造して自船で目的地まで回航する場合と、重量運搬船で運ぶ場合がある。これは目的地に
よって異なる。あるいは、近くの国で建造あるいは既成の船を購入して、そこから回航する場合がある。
フロリダ型ダブルリガーは、本来甲板には段差がなく、反りが大きいので甲板を歩きにくいが、この船の
甲板は2段に分かれ、前部は高く、操舵室より後部は低い。
上の層は操舵室と海図室で、それらは日本の底曳漁船におけるよりも狭い。その上のアンテナは少ないことから、
船位測定と通信機器は少ないことが分かる。下の層の白い部分は食堂と調理室である。昼間は乗組員が、
ここで休息する。その後にある鳥居型マストの上端はアウトリグ(水平に倒して網を曳くブーム)を受ける
ようになっており、両側に1本ずつのリグが立てかけてある。(奥の船ではアウトリグは写っていない。)
その付根の薄草色はエビトロールウインチである。その後は作業甲板で、広い。ここに両舷から1統ずつの網が
ほぼ同時に揚げられる。大きな逆三角形の構造はエビトロールに独特のものである。船尾に見られる白い
ダビットはトライネットを曳くためである。
No.3
前半部は大きい。ここに多数の居室をとってある。本来のフロリダ型ダブルリガーでは、居室は水線下にあり、
舷側に窓はない。しかし、この船では居室は水線上にあり、窓をとってある。
本来のフロリダ型ダブルリガーでは、アウトリグ(網を曳くブーム)は、No.1に示すように、入港中には
垂直に立てる。しかし、それでは船が不安定になる。マダガスカルまで回航するために、No.3に示すように
アウトリグは水平のままで、両舷の内側に取り込むように変えた。リグの支点は上部構造が終わる中央より
やや後の黒い鳥居型マストの付根である。リグは真横になるまで外側に回転させ、舷側に手摺のように見える
ハシゴの補強部分が水平になるように回転させて網を曳く。リグには、水平方向にしか大きな力がかからないので、
ハシゴを兼ねて鉄のロッドによって水平方向を補強する。
両舷後端に見える輪は、リグの上端で、右側のリグの上端には、トロールのトップローラに相当する大きな
ブロックが下がっているのが、写真に写っている。
本来船尾のブルワークは低いが、回航のために高くしてある。
No.5
平坦な砂泥質の海底に潜っているエビの密度は魚探では探知できないので、このトライネットを時々揚げて、
入っている尾数の変化で調べなければならない。
この船ではトロールウインチは、エビトロールとしての標準型から、軸とドラムが水平に並ぶ2軸2ドラムに
変えてある。その代わりに、トライネット用には、No.3の赤色の浮環の間のやや前方の別個のウインチ(No.4)
として設けてある。しかし、No.3ではトライネット用のダビットは見当たらない。
No.7
No.8
船の中央付近に左右方向につけられている。No.6は上部構造の後端付近あるグレーダの前から、後に向けて
撮影した写真である。画面右上の隅には外にあるトロールウインチが写っている。
グレーダとは、エビを大きさによって選別する機械である。No.3に示すトロールウインチのすぐ前の船内に
設置されている。No.6の右側に見られる斜面から選別された(選別されたとは、多量の魚の山からエビを選び
だすことを意味する)エビは、バラのままコンベアによって運び上げられ、No.7の斜面を降りながら選別される。
この斜面には長いローラがあり、その一方は画面手前に向かってわずかながら開いている。No.7には、この隙間と
ローラが写っている。ローラは、隙間のものを上に出す方向に回転する。その上をエビが手前に向かって送られる。
ローラの隙間とエビの大きさが合ったところでエビはローラの間から落ちる。このような機構によって、エビは
大きさごとのグループに選別される。
曳網時間は長く、漁獲は少ないので、人力によって選別する時間はある。しかし、国際規格に従って取引する
ためには、グレーダによって選別しなければならない。
エビはポンド当たりの尾数によって分けられる。しかし、季節と漁場によって体型が異なるので、隙間の幅は
調節される。No.8は、その調節レバーを示す。
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ここにあげるエビトロールとは、フロリダ型ダブルリガー、Florida type (shrimp) double riggerのこと
である。この漁法は日本国内では馴染みが薄いが、日本の合弁事業では世界各地において広く用いている。
[No.1: ft_image_17_17_2/image001.jpg]
[No.2: ft_image_17_17_2/image003.jpg]
[No.3: ft_image_17_17_2/image005.jpg]
本来フロリダ型にある逆三角の構造の後半は省略してある。これは、リグを船内に取り込むので必要ない
からである。 
[No.4: ft_image_17_17_2/image007.jpg]
[No.5: ft_image_17_17_2/image009.jpg]
[No.6: ft_image_17_17_2/image011.jpg]
[No.7: ft_image_17_17_2/image013.png]
[No.8: ft_image_17_17_2/image015.jpg]
[No.9: ft_image_17_17_2/image017.png]
[No.9: ft_image_17_17_2/image019.jpg]