FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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北転船における漁労作業



 200浬経済専管水域の体制が確立した後の、1979年に北転船を傭船した東シナ海大陸棚未利用資源精密調査を 実施した。これは、その際に撮影した写真から抜粋したものである。

No.1
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No.2
[No.2: ft_image_18_12/image003.jpg]

 北転船の装備は「北転船の装備」に記した。

 この船は、スリミ工船に比べるとトン数は1/14以下である。しかし、前の鳥居型マストがない以外、装備は とほとんど同じで、同じような構造の網を扱う。したがって、その投揚網作業の基本はほとんど同じである。

No.3
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No.4
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 新しい漁場では、魚群を探索すると同時に、網を曳けるかどうかを調べる。

 これは、普通の魚探による記録と、ダブル幅の魚探による海底付近の拡大記録である。北転船では、漁場に 到着後は2基か3基の魚探をいつも動かしている。

 この記録紙にはっきりした起伏が記録されれば、そこでは曳網できる。しかし、むしろここに丸で示したような 起伏があれば網がかかる可能性がある。網は、魚探のビームが当たる海底よりも、はるか後方にある。曳網中に 魚探を見ながら、このような像が現れると、船速を上げるかワープを短くすれば、網を海底から離して それを避けられる。

No.5
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No.6
[No.6: ft_image_18_12/image011.jpg]

No.7
[No.7: ft_image_18_12/image013.jpg]

No.8
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 投網作業は、スリミ工船におけるそれとほとんど同じである。

No.9
[No.9: ft_image_18_12/image017.jpg]

 これは、曳網中の網口テレメータによる記録である。

 記録紙は右から左に動く。すなわち、時間は左から右に進む。上の線は発振器の位置(=ヘッドロープの中央) を示し、下の線が海底の位置を表す。一定の速度で網を曳いているときは、網口の高さは一定である。揚網の ために船を停めると、ヘッドロープはやや高くなる。これは、相対的には海底が下がったように記録される。 次いで、網が揚がり始めるとヘッドロープは一旦下がり、その後、揚がりはじめると海底は下がるように記録される。 やがて記録範囲を越えると海底の記録は消える。

 網口のテレメータは、まず(1)網口の高さを計る。網が正常に作動していれば、網口は所定の高さになる。 (2)次に、網口を通過した魚群の量―実際には発振器から海底までの間に反射体があった時間の長さ―から、 魚が多かった場所と入網した魚の量を推定する。これら2つが主な使用目的である。(3)投網後、網が沈降して 海底が記録範囲に入ると、それが記録紙の下端に記録され、網が海底に近づく様子がわかる。(4)グランド ロープが海底障害物にかかると、網口は下がる。いち早くこれを知って、船を停めワープを伸ばせば、破網は 避けられる。そのようなときに素早く対応するために船橋後面にあるコンソルで、翼角・主機関の回転数を変えたり、 ワープの長さを変える。

 その他にも種々の利用法が知られている。

No.10
[No.10: ft_image_18_12/image019.jpg]

 揚網作業はスリミ工船におけるとほとんど同じである。

 ワープを捲きこみ終わるとオッターボードを外す。

No.11
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No.12
[No.12: ft_image_18_12/image023.jpg]

 網口を高くするために多量の浮子が付いている。左袖網では2本の索に浮子がついているように見えるが、 右袖網にはそのような構造は見られない。同様な構造はこの写真と次のNo.12だけに見られるが、それら以外 には見られない。

No.13
[No.13: ft_image_18_12/image025.jpg]

 袖網をトロールウインチの手前一杯まで曳き込む。

No.14
[No.14: ft_image_18_12/image027.jpg]

 ストロープを懸け、身網を漁労甲板右舷がわの前端一杯まで曳き込む。

No.15
[No.15: ft_image_18_12/image029.png]

No.16
[No.16: ft_image_18_12/image031.jpg]

No.17
[No.17: ft_image_18_12/image033.jpg]

 次に、身網にストロープを懸け直し、漁労甲板の左舷がわの前端一杯まで曳き込む。ここまでの作業はスリミ 工船におけると同じである。

No.18
[No.18: ft_image_18_12/image035.jpg]

 前の鳥居型マストがないので、ここから後の作業が異なる。

No.19
[No.19: ft_image_18_12/image037.jpg]

 身網は、船橋後面のブロックを通して、できる限り前方まで曳かれる。

No.20
[No.20: ft_image_18_12/image039.jpg]

 最後に、後部にある鳥居型マストでコッドエンドを吊り揚げる。

 漁獲物はスタンランプ上端近くのflap hatchから処理甲板の最後端にある魚溜に落とされる。

 No.11とNo.12では、左袖網にヘッドロープが2本ある可能性が示され、No.19とNo.20には、左inner bulwark内側 のスタンランプ付近にも多数の浮子が見られる。

 これは数回の投揚網の際に撮影した写真を作業の順に並べたものである。中には大陸計傾斜面上縁付近で、 網の幅だけ隔たっても水深が大きく異なるような漁場において等深線に沿って曳網した例の写真が含まれる。 したがって、この左袖網に付けられた補助のヘッドロープは、そのような漁場における特殊な曳網法の写真が 混ざった可能性がある。このような技術まで開発し、実用化していたとすれば、そのことは敬服に値する。

 船の大きさがスリミ工船の1/14以下になっても、作業の基本は変わらないことと、狭い船の漁労甲板で大きな 網を扱う作業をここに示した。乗組員と比べると、扱っている網の大きさが分かる。

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