FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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各地の魚 市 場



 はじめからフィレーを含め加工原料を供給することを目的として漁業が行われる場合は問題が少ない。 しかし、海外において漁業の発展が妨げられる場合は供給する側に「鮮度」の概念が不足していたり、市民に 魚食の習慣が不足していたりしている。その他に、漁港に水揚げされた後の流通に問題がある場合が多い。

 当初は、魚市場の写真まで収録する計画はなかった。しかし、外国で欠けているのは、魚市場関係の設備であり、 その見学は外国からの研修生の希望する項目の1つである。

 一口に魚市場と言っても、大都市に向けて出荷することを目的とした集荷市場、他から送られてきた魚を地元で さばく市場と、地元の漁獲物だけを集荷しさばくだけの市場等と、市場の間の差が大きい。それを分かり易く写真 で示すことは困難である。

 近年では、卒業生が生産部門に進出できる機会が減少し、流通機構への進出を希望する学生が増えた。その手引き としてこれまでに集めた流通機構に関する写真をまとめた。

 築地の中央卸売市場は、機会あるごとに訪れ、その際に撮影した写真は、ファイル「東京中央卸売市場」にまとめた。

 各種の漁業の写真を撮影する際に、当然、魚市場を訪れることがある。大都市の魚市場は付近における漁船の 動きに関係なく、きめられた時間に活動する。主に地元の漁獲物を扱う魚市場では、漁船の動きによって魚市場が 開かれる時間が異なる。

 市場の活動時間にあわせて、系統的あるいは機能を表すような細部まで写真を撮影することができなかった。 今までに撮影した写真を、このファイル「各地の魚市場」に収録した。

 写真は次の項目に分けてある:
マグロの水揚げ(東京中央卸売市場・清水・勝浦・南郷)
下関の魚市場(下関漁港・南風泊・唐戸)
枕崎・大阪湾南部・日生・鞆の浦・大分近郊・琵琶湖


マグロの水揚げ


東京中央卸売市場

No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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No.9
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No.10
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No.11
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No.12
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  No.1とNo.2は、東京中央卸売市場の隅田川防潮堤の外側で撮影した競りの写真である。建物の中の競りと雰囲気 が異なる。遠洋マグロの漁獲物は船ごとまとめて取引される。

 No.3とNo.4に示すように超低温で凍結されている多量のマグロは、陸上作業用のクレーン引上げられる。

 内臓は除かれ、鰓蓋とヒレは切り落とされている。

 No.5からNo.8に示すように、上げられたマグロは岸壁に下され、No.9に示すようにそのまままとめてシャベル ローダによって冷凍トラックに積込まれる。

 No.10はそれを運ぶトラックである。窒素冷凍設備を備えている。

 No.11はマグロ延縄船の船尾の写真である。高緯度操業型で、両側は遮蔽され、自動投縄装置が見られる。右には マグロの荷役に使われたクレーンが見られる。アームは長い。

 No.12は船首の写真である。マグロ延縄は右舷前寄りから揚げられる。

 暴風圏でも操業する型では、次第に風圧の中心が前寄りになり、可変ピッチプロペラの船では、小さい翼角で 前進すると船首方位が定まりにくい。そのために、風向きによっては、船が縄を乗越え、幹縄が右舷船首を擦り ながら揚がってくるようなことがある。長期航海ではこのようなことがときどき起こり、入港直後にはその跡が 見られる。

清 水

No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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東京中央卸売市場の隅田川岸壁では、遠洋マグロはまとめて取引されていたが、ここでは1尾ずつ扱われる。 No.1とNo.2に示すように鰓蓋・尾柄・ヒレは切落とされている。脂の乗り具合や肉質を調べ、競値の心積もりをする ために尾柄には切口がある。

 No.3は競落とされたマグロはNo.5に示す設備によって凍ったまま4つに切られる。小売り人はその切口から肉質を 調べ値段を見積もる。

 No.4において台にしている木製の箱はマグロ箱で、昔から氷蔵マグロを1尾ずつこの箱に詰めて氷を打って地方に 送るのに繰返し使われていた。

 マグロに掛けてある緑色の紙はパーチメントペーパで、魚を包み、肉質を目立たせるとともに、氷が溶けてで きた真水から魚を保護する。

 No.4に示すボール紙製の箱は新しいマグロ箱である。以前は木製であったものがボール紙製に変わった。

 No.5は競落とされたマグロを凍結されたままで分割するための設備で、製材所のバンドノコと同じものである。

 まとめて競落とされたマグロはNo.6に示す低温冷凍トラックで送られる。

勝 浦

No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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勝浦には近海マグロが揚げられる。

 No.1に示すように氷蔵のマグロは数尾ずつ船のデリックで吊上げられ、シュータからおろされ、競場の近くで 海水で洗われる。

 近海マグロは、内臓と鰓は落とされているが、鰓蓋とヒレはつけたまま取引される。

 No.3からNo.6までに示すように、尾柄にV字型の切込みをいれてある。これは、遠洋マグロと同様に、その切口 から脂の乗り具合と肉質を調べ1尾ずつ値段を決めるためである。一部はマグロ箱に入れて氷をかけられる。

南 郷

No.1
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No.2
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No.3
[No.3: ft_image_50_14/image057.jpg]

No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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 近海マグロの根拠地である。尾柄の少し前でV字型に切込みを入れ、この切取った肉片が載せてある。

 No.4からNo.8に示すようにバラムツ・アブラソコモツ・Brama(エチオピアと呼ばれる)・マンダイのような、 マグロの漁獲が多かった時代には投棄していたような魚種が、’70年代の中頃から持って帰り、競に出されるよう になった。

 サメ類は多量漁獲される。ヒレと肝臓だけを切取り、胴体は捨てられた。現在でもヒレは船上に吊るして干物 にされる。この売上は、ある時期にはすべて乗組員の取分であった。

 いくつかのマグロ水揚げ地の例を示した。年代と地方によって漁獲物の扱いが異なることを示した。

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