FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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各地の魚市場



下 関

 下関には3つの市場があり、それぞれ機能が異なる。その他にいくつかの漁協には地元の漁船による漁獲物を扱う 小規模の競場がある。下関漁港にある市場は、地方の集荷市場の例である。下関の名物であるフグは彦島の南風泊 にある専用の市場で扱われる。市内の唐戸には、普通の都市にあるのと同じ消費市場がある。それらについて記す。

漁港の市場

   地方の集荷市場の例として、下関漁港における沖合底曳網漁船の漁期における水揚げの模様を示す。下関は韓国に 近いので活魚その他が輸入される。地方の魚市場に直接輸入される例として示した。

No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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 No.1からNo.7までは、沖合底曳網漁船の荷役の模様である。航海が短いので、漁獲物は船内で魚種と大きさに よって選別され一定量ごとに箱に詰め氷をかけてある。透明のシートをかけてある。

 船のデリックと漁港備え付けの電動コンベで揚げられる。日本ではある時代には、漁船員の給与は陸上における 給与をはるかに上回り、入港中には休養を第1に考え、荷役は陸上の会社が手配した人によって行われた。漁獲物の 荷役は乗組員の仕事でないとして扱われた。しかし、燃料費の高騰と、機械化が進み船上の労働が以前ほど重労働 でなくなり、海上労働の賃金上昇が陸上ほどでなくなった。賃金面での海上労働の優位性を保つため(あるいは、 陸上における上昇に迫るため)荷役は乗組員の作業に変わった。

No.8
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No.9
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No.10
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No.11
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No.12
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No.13
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No.14
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No.15
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No.16
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No.17
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No.18
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No.19
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No.20
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No.21
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No.22
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            No.8からNo.22までは、競の様子と並べられた漁獲物の写真である。日本の市場に受入れられるためには、漁獲物 には氷をかけ、これらの写真に見られるまで整理されていなければならない。

 古い箱を使うので、箱には昔の以西底曳網の会社名が多い。箱に社名のないのは、韓国から輸入した鮮魚の可能性 が高い。

 No.22は送られてきたサバである。鮮度のよいサバはこのように扱われ、高値で取引される。サバは大衆魚から負荷 価値がつけられ高級魚に近づいた。

 沖合底曳網による漁獲物の他に、巻き網による漁獲物も取引される。以西底曳網による漁獲物はトラックで送ら れてくる。

 競落とされた魚は、以前には競場に平行にあった引込線から貨車で出荷されていた。ここの柱の間隔は貨車の長さに 合わせ狭かった。しかし、トラック輸送に変わったので新しい部分では、柱の間隔はトラックを動かし易いように 広げられた。

No.23
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No.24
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No.25
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No.26
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No.27
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No.28
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  No.23からNo.28までは、主に韓国からの輸入品である。中にはNo.23とNo.24はサヨリ・ウニ・アサリ、No.26は ガザミの活魚である。

 日本漁船による漁獲物だけでなく、輸入活魚が見られることが西日本の集荷市場の特徴である。

No.29
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No.30
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沖合底曳網漁船は、漁獲物の一部を活魚として持ってかえる。また、養殖したタイやブリも活きたまま持ち 込まれる。No.29は活魚の運搬トラック、No.30は市場備えつけの活魚槽である。

南風泊

 下関はフグで有名である。これは下関市西端彦島の南風泊にある専用の市場で取引される。

No.1
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トラフグは特殊な延縄で漁獲される。共食いによって傷み商品価値がなくなるのを防ぐために、漁獲直後に歯を 折って活きたまま持って帰る。入港後、競まではNo.1に示す活魚槽で保管される。活魚槽には上に太い金網の蓋が あり、鍵をかけられている。

No.2
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No.3
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No.4
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No.2からNo.4までに示すように、競の前には目方を量り、大きさに応じて1尾から数尾まで、海水を張った浅い 箱に入れられる。仲買人はこの間に下見をする。

No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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No.9
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No.10
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 No.5からNo.10までは、競の模様である。魚の間を移動しながら、所々に置いてある台に立って競が行われる。 これは普通の市場におけると同じである。しかし、ここの市場には独特の習慣がある。袋競(フクロゼリ)と 呼ばれる。No.9とNo.10に示すように、伝統に従って、競人と仲買人が黒い袋に手を入れて指の握り方で競値を 決める。これでは不明朗であるとの声に答えて普通の方式の競が行われるようになった。しかし、袋競は半ば 儀式的に残っている。これは、中国において豚の競を行うとき、豚に値段がわかると、気を落として豚がやせる からこのような習慣があり、競られるフグがやせないようするためだという言伝えがある。西日本にある習慣の 中には韓国や中国の影響が時々見られる。

No.11
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No.12
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No.13
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No.14
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ここでも韓国から活魚が輸入される。No.11とNo.12は、活魚運搬船の写真である。

 この場合はNo.13に示すように、小さなカゴに入れたサザエが輸入された。このサザエはカゴのままNo.14に示す イケスで保管される。

 背景の建物はフグの競場である。その後に加工団地が続く。

No.15
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No.16
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No.17
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競落とされたフグは隣接する加工団地で処理される。一部はNo.17に示すような箱の上の蓋をあけてフグと少量の 海水を入れ、酸素を充填して消費地に送られる。空輸が多い。

唐 戸

No.1
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No.2
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No.3
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No.4
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No.5
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No.6
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No.7
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上記の2つの市場は集荷市場で、競落とされた魚を全国に発送することを目的とする。下関には関門海峡に面 した唐戸に、もう1つの市場がある。これは仲買人と大口消費を対象とし、下関とその周辺における消費を目的 とする。近くから運ばれてきた活魚のためにイケスが前にある。

内部には漁港の魚市や沿岸の漁村から運ばれてきた魚が並べられている。その他、普通の消費市場に見られる 小口の鮮魚と各種の加工品が見られる。これは他の地方における消費市場と大差ない。

 No.3にはクジラから作った「ベーコン」が見られ、かつて捕鯨の根拠地であった面影がみられる。No.5とNo.6 ではフグをおろしている。フグの調理には特殊の免状が必要である。ここには特殊の習慣がある。フグは最初に 目方が計られ値段をきめられる。これはサシミにされる肉だけの値段である。ヒレはヒレ酒やサシミの飾りに、 皮膚等もサシミに利用される。アラも味噌汁にされる。これらは一旦買った魚からのものでも、代金を別に払わ なければならない。

 これらの写真を撮影後、唐戸市場は新しい建物に移った。

 

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