FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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樽流し



 西日本では、釣によって漁獲された瀬付きの大型アジは、「関アジ」(佐賀関のアジの意味) または「釣アジ」と呼ばれ、特に珍重がられる。このアジを対象とした「樽流し」と呼ばれる漁法がある。 瀬付きのアジは、潮がたるむ前後に接餌する。10本から数十本の釣針を付けた釣糸を樽に結んで、 瀬の潮上から流し、潮下で拾上げて釣れたアジを取り上げる。簡単な漁具を使う漁法であるが、 比較的新しい漁法である。

No.1
[No.1: image11-14-001.jpg]

 この漁業に従事する船の写真である。細い漁具を使うので、それに力がかからないように操船し、 手で引揚げられる。従ってラインホーラは必要でない。それぞれの瀬における潮流の変わる時刻を知り、 その時刻にその瀬の位置に正確に船をもって行かなければならない。そのためには、リアルタイムで船位を 測定できる電子機器が必需品となる。そのアンテナが見られる。

 操舵室の屋根の上に(レーダのアンテナの下)に樽が見られる。

 瀬の付近では、潮流は不規則に変化し、樽はそれぞれ異なった方向と速さで流されるので、No.1とNo.4から 分かるように同時にあまり多数の樽を使えない。

No.2
[No.2: image11-14-003.jpg]

No.3
[No.3: image11-14-005.jpg]

No.4
[No.4: image11-14-007.jpg]

 これらは漁具の写真である。幹糸の長さや漁具の概略の構造が分かる。

 細いモノフィラメントの幹糸に10本から数十本の釣針を付ける。簡単な漁具であるが、その構造は変化に富む。 No.3では釣針には小さなイカの型をした擬餌を付けている。その数は多くない。 No.4ではピンクか濃いブルーのビニールの小片が釣針に付けている。釣針は多い。

 No.4では流された樽が遠くからでも分かり易いようにペンキを塗ってある。

No.5
[No.5: image11-14-009.jpg]

 漁獲物の鮮度は、特に高くなければならない。したがって、競りまでの間、生簀に蓄養される。

No.6
[No.6: image11-14-011.jpg]

No.7
[No.7: image11-14-013.jpg]

 その後で〆られる。これは延髄を壊して鮮度を保持する伝統的な技術である。その時刻や方法は、 夕方にちょうど死後硬直がとけるよう、気温等を考慮して決められる。(養殖されたり生簀で蓄養している 魚も同様に出荷前に〆られる)。

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