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この漁法は、基本原理をそのまま残し、細部を近代化して、いくつかの漁村では少数ながら、今でも残っている。
No.2
これらの写真が示すように、船首の前の外側にFRP製のドラムカンのような筒を付ける。
その上約1m前方の高い位置に黒い笠で被った弱い電球(2w程度)をつける。
船首のできるだけ前(No.3では、抵抗器のすぐ後)に仮の柱を立て、機関室付近にあるマストとの間の
約3m高さに索を渡し、それから網をたらす。この網地は細い網糸で編まれているので、写真では
写っていても分かりにくい。
変速は、張出の右にある2つのレバーで行う。船尾にある舵から索を取り、張出の前端にある滑車を通して
舵に結ぶ。この索で操舵をする。
張出の後ろに抵抗器があり、それによって灯の明るさを調整する。
海面直下を灯に近づいてくるサヨリを見つけると素早く掬いとる。船の中心線に張った網は、
掬い揚げたサヨリが反対側の海に落ちないようにするためである。
No.1に示した2隻の船はかなり古いが、この船は新しい。素潜りの道具を乗せている。操舵室は2段、
ワーピングエンドには挟みドラムを備えている。中央の高い位置には集魚灯があり、漁期に応じて種々の漁業に
従事できることが分かる。
この船を見る限りでは、サヨリ掬い網は、一本釣と刺網以外には使えないような古い船を用いて老人だけが
行う伝統漁法でない可能性が考えられる。
No.2に写っているもう1隻の船は棒受網の装備を持つ。しかし、提灯網を行う。これも小規模ながら
存続している伝統的漁法とみなせるだろう。
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サヨリは特に走光性が強い沿岸性の魚で、ごく表層を泳ぐ。船首付近の高い位置に「ボンボリ」に入れて
ローソクを点け、岸近くの静かな海で、闇夜に船をゆっくり漕ぎ、灯に寄ってくるサヨリをタモアミで
掬取る漁法は、山陰地方では古くから知られている。この魚はあまり密度が高くないので、サヨリ掬網は、
サヨリの特性に最も適した漁法とみなせる。
[No.1: image11-19-001.jpg]
[No.2: image11-19-003.jpg]

[No.3: image11-19-005.jpg]
[No.4: image11-19-007.jpg]