FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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提 灯 網



     先に示した伝統漁法の一つである「サヨリ掬網」に関するファイルの中の一枚の写真に提灯網が写っていた。 数年後に、同じ仙崎漁港において提灯網を使っている写真が撮られた。

No.1
[No.1: image11-21-001.jpg]

 No.1は提灯網を使う漁船の写真である。この船は、集魚灯を備え中央に長い竿があるので、基本構造は沿岸棒受網 漁船である。しかし、左舷には網を広げる棒はなく、棒受網は搭載してなかったし、棒受網用のネットホーラーも 見られなかった。しかし、甲板には提灯網が見られた。

 提灯網では、このような漁船を使って採算が採れるほどの漁獲が揚がると考えられない。しかし、 これが遊漁的とみなせるかどうか疑問である。

 一方では、夜間には、この地方独特のイカ手釣を行い、提灯網は専業か兼業の漁師が行うレジャー漁業的色彩は 考えられる。他方では、観光地であり、漁獲物を家内工業的に加工することを考えれば、少ない漁獲で採算を採れる可能性は 無視できない。


No.2
[No.2: image11-21-003.jpg]

No.3
[No.3: image11-21-005.jpg]

 提灯網はNo.2とNo.3に示すように、直径約2mのステンレススチール製の輪に、モノフィラメントの網糸を やや荒い目で編んだ袋をつけたものである。 

      甲板の色から分かるように、少なくとも2隻の船がこの漁法を行っていた。これらの写真から網の大きさと網が モノフィラメントの糸で編まれていることが分かる。これは、網から水を抜けやすくし、魚が逃げる前に網を 引揚げるためである。

 網には餌がつけられ、No.1に示すように船の中央にある長い竹竿から降ろされる。網の上に魚が集ると、 No.3に見られるように機関室のにある簡単なドラムか機関室の横にあるワーピングエンドを使って、網は素早く 揚げられる。揚網は人力によらないので、繰返して投揚網できる。この点から、現代社会において提灯網を 行うには揚網ウインチのある船が必要になる。

 

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