FishTech - Photographs of Fishing Techniques −漁業技術の画像集「FishTech」−
by Emeritus Prof. Hiroshi Maeda, Fisheries College, Shimonoseki, Japan in collaboration with Asst. Prof. Koichi Fukada, Fisheries College, Shimonoseki, Japan
[著] 水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘 [協力] 水産大学校助教授 深田耕一

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手造りの釣針



 釣針は一本釣ばかりでなく、その他すべての釣漁業で使われ、消耗が激しく、需要は大きい。現在では大部分は 機械で作られる。各メーカでは対象とする魚種と魚の大きさによって異なった釣針を供給するので、1社によって 作られる釣針の種類は多い。しかし、メーカの数は少ない。工業化以前には各地で作られていただろうが、現在では 手造りの釣針は限られた地方に残っているに過ぎない。

 専業漁師の場合も遊漁者の場合も、一本釣は個人の技量によるところが大きく、用具に対する関心が深い。 その関心を寄せるものの1つに手造りの釣針がある。そして、日本製―特に高知製―の釣針は人気が高い。専業漁師 でも集団で生活し、技量の差が目に見えて現れるカツオ一本釣ではその傾向が見られる。

 海におけるレジャーの中でカジキやマグロ類の曳縄は、先進国や先進国からでかけやすい世界各地において根強い 人気がある。本格的なレジャーとして釣を楽しむ人は、日本製の手造りの釣針については関心が深く、レジャー フィッシングのセンターにある釣具店では、国内の普通の釣具店において考えられないような値段で1本単位で取引され、 漁期外には同好者のサロンにおける自慢の対象になっている。

 手造りの釣針は全く個人の技量による。これは一般庶民の中に潜在する技術である。一部の釣針では製作者の 名前をつけて取引されているが、それ以外では民芸的とみなされる段階までの評価は受けていない。

 需要側としてはレジャーフィッシングをバックとし、供給側としては地方都市の労働市場に支えられているこの 技術は、民芸的なものまでの評価を受けて伝承し続けられるか、地方都市の近代化の蔭で消滅してしまうか、深い 関心が持たれる。

 需要の特殊性は強まるだろうが、供給側がこの体制受け入れ続けられるか多少疑問が残る。

 No.1はカツオの近海漁船の根拠地にある漁協の売店に見られる手造り釣針の見本である。カツオ一本釣の漁師は 釣針に深い関心を示していることが分かる。

No.1
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手造りの釣針店におけるショーウインドウの写真である。昔使っていた工具が展示されている。

 作業場はこのすぐ後に続く。

No.2
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No.3
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No.4
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 目的とする釣針の種類に応じて針金を選び、切断し、焼きなまし、カエシを付け、形を整え、焼入れをして、 メッキをする。これらの全工程は、一人で行う。

 作業場には各人の作業台があり、勤務時間の制限はなく、働きたいときにでてきて釣針を造り、出来高に応じて 賃金が支払われる。

 それぞれの人によって得意とする釣針の大きさと種類はおのずときまり、全長1cm以下の釣針から、カジキ曳縄用の 釣針で1本単位で取引されるものまで作られる。

 カジキ曳縄用の釣針を作っている作業コーナを示す。この写真では老人が写っている。他のコーナでは、主婦達が 1つの作業台に集まって働いている。

 それぞれ自分の持分とする型の釣針があり、小型の釣針では、ある程度まとめて、材料の切断からスズメッキ まで段階を追って作っている。

No.5
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No.6
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No.7
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No.8
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 世界のレジャーフィッシャーマンから喜ばれるカジキ曳縄用の釣針は、このような簡単な道具だけを用いて 作られるので、個人の技量によるところが大きい。

No.9
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